フェアユース
米国著作権法107条が定める、一定の場合には著作権者の許諾がなくても著作物を利用できるとする考え方です。当てはまるかどうかは裁判所が事案ごとに判断します。
くわしく
フェアユース(公正な利用)は米国著作権法107条に定められています。条文は、批評、論評、報道、教育、学術、研究などを利用目的の例に挙げ、次の4つの要素を考慮するとしています。
1. 利用の目的と性質(商業的か、非営利の教育目的かを含む)2. 著作物の性質3. 著作物全体に対して利用した部分の量と重要性4. 元の著作物の潜在的な市場や価値への影響
米国著作権局は、裁判所は「事案ごとに」判断し、結果は事実関係によって決まると説明しています。何%までなら使ってよい、という決まった基準はないとされています。
生成AIとの関係では、米国著作権局が2025年5月に公表した報告書「著作権とAI」第3部(公表前版)が、AIの学習へのフェアユースの当てはめ方を検討しています。日本には同じ仕組みはなく、著作権法30条の4など個別の規定で利用できる場合を定めています。
クリエイターにとってのポイント
- 米国の制度です。日本国内での利用は日本の著作権法で判断されるため、「フェアユースだから大丈夫」という考え方は日本ではそのまま使えません。
- 米国の事業者のAIサービスや、米国で起きている学習データをめぐる訴訟のニュースでは、フェアユースが中心の論点になることが多くあります。
- 米国著作権局の第3部は、4要素の一つ「市場への影響」について、売上の減少、市場の希釈(似たような作品が大量に出回ること)、ライセンス機会の喪失といった観点を検討しています。
- 米国著作権局の「フェアユース・インデックス」で、過去の裁判例の要約を検索できます。
具体的な場面の例
- 米国のニュースで「AI企業の学習はフェアユースと判断された」と報じられた。その判断は個別の事件の事実関係にもとづくもので、別のサービスや日本での利用にそのまま当てはまるわけではない点を押さえて読む。
関連する用語
出典・一次情報
- Cornell Law School LII「17 U.S. Code § 107 - Limitations on exclusive rights: Fair use」
- U.S. Copyright Office「U.S. Copyright Office Fair Use Index」
- U.S. Copyright Office「Copyright and Artificial Intelligence, Part 3: Generative AI Training(pre-publication version, 2025年5月)」
- U.S. Copyright Office「Copyright and Artificial Intelligence」
- 文化庁(文化審議会著作権分科会 資料)「生成AIに関する各国の対応について(2024/12時点)」