おさえておきたい、AIと創作の言葉。むずかしい用語を、やさしく言い換えて解説します。用語名から、くわしい説明・クリエイターにとってのポイント・出典を見られます。各用語の説明は、公的機関などの出典にもとづいています。
文章・画像・プログラムなどを新しく作り出せるAIの総称です。指示(プロンプト)に応じて、学習したデータの傾向をもとにコンテンツを生成します。
膨大な文章データで学習した、非常に多くのパラメータを持つ言語モデルです。文章の「続き」を予測する仕組みで、チャット型AIの文章生成を支えています。
生成AIが、事実と異なる内容をもっともらしく出力してしまう現象です。自信ありげな文章で示されるため、誤りに気づきにくい点が特徴です。
生成AIに入力する指示や質問のことです。AIはプロンプトの内容に応じてふるまいや出力を変えます。入力した内容がどう扱われるかも、使い方を考える材料になります。
細工した入力によって、AIを本来の意図とは違う形で動かす攻撃(脆弱性)です。AIが読み込むWebページやファイルに、隠れた指示が仕込まれる場合もあります。
生成AIが回答をつくるときに、社内文書やWeb上の情報などを検索し、その結果を組み合わせて回答する技術です。モデルを学習し直さずに、参照する情報を足せるのが特徴です。
すでに学習済みのAIモデルに、特定の用途に合わせた追加の学習をして、パラメータを調整することです。少ないデータで特定の作風や専門分野に寄せることができます。
AIモデルを学習させるために使うデータのことです。どんなデータで学んだかが、AIの得意・不得意や出力の偏り、権利の論点に影響します。
自分のWebサイトなどのコンテンツを、AIの学習に使わないよう求める意思表示や、その設定のことです。代表的な方法に、robots.txtでAI学習用のクローラーを拒否する設定があります。
AIを使って作られた、本物と見分けにくい偽の画像・動画・音声などのことです。実在の人物が実際には言っていないことを言っているように見せるものもあります。
AIが生成した画像・音声・文章などに、目に見えない形などで識別用の目印を埋め込む技術です。専用のツールで検出することで、AI生成物かどうかを見分ける手がかりになります。
デジタルコンテンツの出どころや編集の履歴(来歴)を記録・確認するための技術標準と、それを策定する団体の名前です。記録は「コンテンツクレデンシャル」と呼ばれます。
学習済みAIモデルの「重み(パラメータ)」が公開され、ダウンロードして使えるモデルのことです。自分のパソコンやサーバーで動かしたり、追加学習したりできます。
特定の目標を達成するために、周りの状況を把握して自律的に行動するAIシステムです。利用者の代わりに計画を立て、ほかのアプリやサービスと連携しながら作業を進めます。
データに少しずつノイズを加えて壊していく過程を考え、その逆にノイズから元のデータを復元する過程を学習する生成モデルです。多くの画像生成AIの基礎になっています。
作品(著作物)をつくった人が、その作品のコピーやネット配信などの利用を決められる財産的な権利です。登録などの手続は要らず、つくった時点で自動的に発生します。
著作権法で守られる対象のことです。「思想又は感情を創作的に表現したもの」で、文芸・学術・美術・音楽の範囲に属するものと定義されています。
作品をつくった人の「こだわり」や名誉といった人格的な利益を守る権利で、公表権・氏名表示権・同一性保持権の3つがあります。本人だけが持ち、他人に譲ることはできません。
作品を人々に届ける役割を担う人に認められる権利です。歌手・俳優・演奏家などの実演家、レコード製作者、放送事業者、有線放送事業者が持ちます。
ある作品が、既存の作品を「もとにして」つくられたかどうかという、著作権侵害の判断に使われる要件のひとつです。偶然似ただけの場合と区別するための考え方です。
作品が既存の作品と「似ている」かという、著作権侵害の判断に使われる要件のひとつです。アイデアや作風が共通するだけでなく、表現の本質的な特徴を直接感じ取れるかが問われてきました。
作品の中身を味わう(享受する)ためではなく、情報解析などのために使う場合に、必要な限度で許諾なく利用できるとする規定です。AIの学習との関係で参照される条文です。
公表された他人の作品を、一定の条件を満たせば、許諾を得ずに自分の作品の中で使えるとする著作権法第32条の規定です。報道・批評・研究などが目的の例として挙げられています。
作品を翻訳・編曲・変形・脚色・映画化するなど、元の作品をもとに新たな創作を加えた作品(二次的著作物)をつくることについて、著作者が持つ権利です。
会社などの従業員が仕事としてつくった作品について、一定の要件を満たすと、つくった個人ではなく会社など(法人等)が著作者になる仕組みです(著作権法第15条)。法人著作とも呼ばれます。
有名人などの氏名や肖像が持つ「人を引きつけて商品を売る力(顧客吸引力)」を、本人が独占的に利用できる権利です。法律の条文ではなく、判例で認められています。
自分の顔や姿を、みだりに撮影されたり公開されたりしない権利です。法律に明文の規定はなく、判例によって認められてきました。
商品やサービスに付ける名前・ロゴ・マークなど(商標)を、登録した人が独占的に使えるようにする権利です。著作権と違い、登録によって発生します。
著作権などの権利が消滅している、または及ばないために、誰でも自由に利用できる状態の作品を指す言葉です。著作権法の条文にある用語ではありません。
作者が作品を公開するときに、「この条件を守れば使ってよい」という利用条件を示すための国際的なライセンスです。4つの条件の組み合わせで6種類があります。
他人のIDやパスワードを無断で使ってネット経由でシステムに入り込む「不正アクセス行為」や、IDやパスワードを不正に取得・提供・保管する行為などを禁止する法律です。
個人情報を扱う事業者に、利用目的の特定や安全管理、第三者への提供の制限などのルールを定めた法律です。生成AIに個人情報を入力する場面でも関係するとされています。
商品やサービスを実際より良く、または得に見せる広告などの表示を禁止し、過大な景品を制限する法律です。広告・LP・SNS投稿などの表示に関わります。
広告なのに広告だと分からないようにした表示(ステマ)を、景品表示法の「不当表示」として禁止するルールです。2023年10月1日から施行されています。
医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器などについて、うそや大げさな広告、承認前の製品の広告などを禁止するルールです。規制の対象は「何人も」とされています。
企業が秘密として管理している技術やノウハウ、顧客情報などの「営業秘密」を、不正に取得・使用・開示する行為を規制する法律です。クライアントから預かった秘密情報の扱いに関わります。
フリーランスに仕事を発注する事業者に、取引条件の明示や期日どおりの支払いなどを義務づける法律です。2024年11月1日に施行されました。
下請法が改正・改称され、2026年1月1日から施行された法律です。一定規模以上の発注者に、取引条件の明示や60日以内の支払いなどを義務づけ、一方的な代金決定などを禁止しています。
日本で初めてAIそのものを対象にした法律で、AIの研究開発と活用を国として推し進めるための基本的な枠組みを定めています。2025年9月1日に全面施行されました。
多くの人に伝わる形で事実を示し、人の社会的な評価を下げることです。刑法では犯罪として、民法では損害賠償や名誉回復の対象として定められています。
総務省と経済産業省が公表している、AIを開発・提供・利用する事業者向けの指針です。法律ではなく、自主的な取組を後押しする「ソフトロー」と位置づけられています。
米国著作権法107条が定める、一定の場合には著作権者の許諾がなくても著作物を利用できるとする考え方です。当てはまるかどうかは裁判所が事案ごとに判断します。
EU(欧州連合)がAIをリスクの大きさに応じて規制する法律です。2026年8月2日から大部分が適用され、AI生成コンテンツの表示(透明性)のルールも始まっています。
EUの著作権ルールで、文章や画像などを機械で分析する「テキスト・データマイニング(TDM)」のために、許諾なく著作物を複製できる場合を定めた例外です。AIの学習との関係で注目されています。
米国のデジタルミレニアム著作権法(DMCA)が定める、権利者の通知を受けてネット上の侵害コンテンツを削除する手続き(ノーティス・アンド・テイクダウン)です。
EUの個人データの取り扱いと、EU域外への移転のルールを定めた規則です。EU域外の事業者でも、EUの人にサービスを提供する場合などは対象になります。
米国では、著作権で保護されるには人間による創作が必要とされています。米国著作権局は、AIが生成した部分を登録申請で申告し、保護の対象から除くよう求めています。
中国国内の一般の人に生成AIサービスを提供する事業者向けの規則で、2023年8月15日に施行されました。知的財産権や個人情報の保護、生成物への表示などを求めています。
SNSや動画サイト、マーケットプレイスなどのオンラインサービスに、違法コンテンツへの対応や、削除の理由説明・異議申立ての仕組みを求めるEUの法律です。
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