人間による創作(米国著作権局の登録要件)
米国では、著作権で保護されるには人間による創作が必要とされています。米国著作権局は、AIが生成した部分を登録申請で申告し、保護の対象から除くよう求めています。
くわしく
米国著作権局は、著作権で保護される作品は人間の創作でなければならないという立場です。
2023年3月16日に発効した登録ガイダンスでは、AIを使った作品を登録する際、「ごくわずか(de minimis)」を超えるAI生成部分は申請で除外するよう求め、AIやその提供企業を著作者として記載しないよう示しています。すでに登録済みの場合は、補充登録(supplementary registration)で記録を訂正するよう案内しています。
2025年1月29日に公表された報告書「著作権とAI」第2部(著作物性)は、プロンプトを入力するだけでは保護に足りないとする一方、創作の補助としてAIを使うことや、人間が作った大きな作品の中にAI生成物を含めることは、著作物性を妨げないとしています。
AIを単独の著作者とした登録拒否をめぐる裁判(Thaler v. Perlmutter)では、連邦控訴裁判所が2025年3月に著作権局の判断を支持し、連邦最高裁は2026年3月2日に上告を受理しませんでした。
クリエイターにとってのポイント
- 米国で作品を登録する場合、AI生成部分の範囲と、自分が手を加えた部分(選択・配置・修正など)を分けて説明することが求められます。
- 「AIが出力したそのままの部分」と「人間が創作した部分」を区別できるよう、制作過程(プロンプト、修正前後のデータなど)を記録しておくことが、説明の材料になります。
- 日本の著作権法での扱いは、米国とは別に日本の法律や文化庁の考え方で判断されます。
具体的な場面の例
- AIで生成した画像を下地に、自分で大きく描き加えたイラスト集を米国で登録しようとする。申請では、描き加えた部分を自分の創作として記載し、AI生成のまま残っている部分を除外する。
- 米国の出版社から、AIで作った挿絵の有無と範囲を説明するよう求められる。
関連する用語
出典・一次情報
- U.S. Copyright Office「Copyright and Artificial Intelligence」
- U.S. Copyright Office「Copyright Registration Guidance: Works Containing Material Generated by Artificial Intelligence (88 Fed. Reg. 16190)」
- U.S. Copyright Office「NewsNet Issue 1060(Part 2: Copyrightability 公表のお知らせ)」
- Holland & Knight「The Final Word? Supreme Court Refuses to Hear Case on AI Authorship and Inventorship(2026年3月)」