著作物
著作権法で守られる対象のことです。「思想又は感情を創作的に表現したもの」で、文芸・学術・美術・音楽の範囲に属するものと定義されています。
くわしく
著作権法第2条第1項第1号は、著作物を「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」と定めています。文化庁の著作権テキストは、特許権が「アイデア」を守るのに対し、著作権は「表現」を守ると説明しています。著作権情報センター(CRIC)の解説では、単なる事実や、個性が表れていない模写、ありふれた表現は著作物に含まれないとされています。
第10条は、小説・音楽・絵画・建築・地図・映画・写真・プログラムなどを著作物の例として挙げています。一方、事実を伝えるだけの雑報や時事の報道は言語の著作物にあたらない(第10条第2項)とされ、法令や裁判所の判決などは著作権の対象にならない(第13条)と定められています。
クリエイターにとってのポイント
- 文化庁の「考え方」は、AIへの指示が表現に至らないアイデアにとどまる場合、そのAI生成物に著作物性は認められないと整理しています。
- 同じ資料は、創作的表現を具体的に示す詳細な指示や、生成物を確認しながら指示を修正して試行を重ねることは、著作物性が認められる方向に働き得るとする一方、試行回数の多さや、単に選ぶだけの行為はそれ自体では影響しないとしています。人がAI生成物に加筆・修正した部分は、通常、著作物性が認められると考えられるとしています。
- 文化庁のチェックリストは、AI生成物を著作物である前提で取引する場合、AIを利用したことや著作物性について関係者に適切に説明することを求め、そのためにプロンプトなど生成過程を確認できるようにしておくことが望まれるとしています。
- 「考え方」は、著作物性がないものでも、その複製や利用が営業上の利益を侵害するといえる場合には、民法上の不法行為として損害賠償が認められ得るとしています。
具体的な場面の例
- 短いプロンプトだけで生成したロゴ案を、そのままクライアントに納品する。文化庁の資料では、指示がアイデアにとどまる場合は著作物性が認められないと整理されており、納品時にAI利用と著作物性について説明することが求められるとされています。
- AIで下絵を作り、自分で大きく描き加えてイラストを仕上げる。描き加えた部分は、文化庁の資料では通常、著作物性が認められると考えられるとされています。