不正競争防止法(営業秘密)
企業が秘密として管理している技術やノウハウ、顧客情報などの「営業秘密」を、不正に取得・使用・開示する行為を規制する法律です。クライアントから預かった秘密情報の扱いに関わります。
くわしく
不正競争防止法(平成5年法律第47号)は、事業者間の公正な競争を確保するための法律で、経済産業省が所管しています。
この法律は「営業秘密」を、①秘密として管理されている(秘密管理性)、②事業活動に有用な技術上または営業上の情報である(有用性)、③公然と知られていない(非公知性)、の3つを満たす情報と定めています(第2条第6項)。
営業秘密を盗むなど不正な手段で取得する行為のほか、営業秘密を保有する事業者から示された情報を、不正の利益を得る目的や保有者に損害を加える目的で使用・開示する行為なども「不正競争」とされています(第2条第1項各号)。不正競争に対しては差止請求(第3条)や損害賠償請求(第4条)ができ、悪質なものには刑事罰(第21条)も定められています。
経済産業省は、どのような管理をしていれば営業秘密として保護されるかの考え方を「営業秘密管理指針」で示しており、2025年3月31日に改訂しています。
クリエイターにとってのポイント
- 入口(AIに入力してよいか)に関わります。未発表の商品情報、企画書、顧客リストなど、クライアントから示された情報には営業秘密に当たるものが含まれることがあります。
- 経済産業省の営業秘密管理指針は、社内で秘密管理された情報を生成AIに利用しても、そのことだけで秘密管理性が否定されるわけではないと考えられる、と説明しています。
- 一方で同指針は、情報が企業以外の第三者(例として生成AIの提供事業者等)に提供される場合は、秘密管理性が否定される場合もありうる、と注記しています。
- 秘密保持契約(NDA)など、契約上の守秘義務も別に関係することがあります。
具体的な場面の例
たとえば、クライアントから受け取った発売前の商品資料を、コピー案を作るために外部の生成AIサービスに貼り付ける場面では、その情報が不正競争防止法上の営業秘密に当たるか、そして第三者であるAI提供事業者に渡ることが秘密管理性にどう影響するかについて、営業秘密管理指針の考え方が関係するとされています。