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著作権・知的財産 読み:いきょせい

依拠性

ある作品が、既存の作品を「もとにして」つくられたかどうかという、著作権侵害の判断に使われる要件のひとつです。偶然似ただけの場合と区別するための考え方です。

くわしく

「依拠性」という言葉は著作権法の条文にはなく、判例で示されてきた考え方です。文化庁の「考え方」によれば、既存の判例では、ある作品に既存の著作物との「類似性」と「依拠性」の両方が認められる場合に著作権侵害になるとされています(最高裁昭和53年9月7日判決(ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー事件)など)。

同じ資料は、人がAIを使わずに創作する場合、依拠性は、制作者が既存の著作物の表現内容を知っていたか、どの程度同じかなどで判断され、既存の著作物に接する機会があったかどうかなどから推認されてきたと説明しています。生成AIでは、利用者が知らない作品が学習データに含まれ、それに似たものが出力されることもあるため、「考え方」はAIを使った場合の依拠性を場面ごとに整理しています。

クリエイターにとってのポイント

文化庁の「考え方」は、AIを使った場合の依拠性を次のように整理しています。

  • 利用者が既存の作品を知っていて、それに似たものをAIで生成させた場合:依拠性が認められると整理されています。例として、既存の画像をそのまま入力する(Image to Image)場合や、作品名などの固有名詞を入力する場合が挙げられています。
  • 利用者は知らなかったが、その作品がAIの学習データに含まれていた場合:似たものが生成されたときは、通常、依拠性があったと推認されると整理されています。ただし、学習した作品の表現が出力されないことが技術的に担保されている場合などは、依拠性がないと判断される場合もあり得るとしています。
  • 利用者も知らず、学習データにも含まれていない場合:偶然の一致として依拠性は認められないと整理されています。
  • 文化庁のチェックリストは、依拠性がないことを説明できるよう、生成に使ったプロンプトなど生成過程を確認できる状態にしておくことが望まれるとしています。

具体的な場面の例

  • 人気キャラクターの名前をプロンプトに入れて画像を生成し、グッズにして販売する。「考え方」は、作品名などの固有名詞の入力を、依拠性が認められる例として挙げています。
  • 特定の作品を思い浮かべずに生成した画像が、たまたま既存のイラストに似ていた。この場合、学習データにその作品が含まれていたかどうかが依拠性の判断に関わると「考え方」は整理しています。

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