AIクリエイター通信責任あるAIクリエイターのための情報メディア
著作権・知的財産 読み:ほんあんけん

翻案権

作品を翻訳・編曲・変形・脚色・映画化するなど、元の作品をもとに新たな創作を加えた作品(二次的著作物)をつくることについて、著作者が持つ権利です。

くわしく

著作権法第27条は、著作者が、その著作物を翻訳し、編曲し、変形し、脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有すると定めています。こうしてつくられた作品は「二次的著作物」と呼ばれ(第2条第1項第11号)、元の作品とは別の著作物として保護されます。文化庁の著作権テキストは、小説の映画化や、既存の楽曲の編曲を例に挙げています。

二次的著作物を第三者が利用する場合について、第28条は、元の作品の著作者も、二次的著作物の著作者と同じ種類の権利を持つと定めています。文化庁の著作権テキストは、二次的著作物の創作には原作の著作者の了解が必要であり、第三者が利用するときは二次的著作物の著作者と原作の著作者の両方の了解が必要だと説明しています。

最高裁は江差追分事件(平成13年6月28日判決)で、言語の著作物の翻案を、既存の作品の表現上の本質的な特徴を保ちつつ新たな創作を加え、元の作品の本質的な特徴を直接感じ取れる別の作品をつくる行為だと示しています。

クリエイターにとってのポイント

  • 既存の作品をAIに入力して「この絵をアニメ調に」「この文章を要約・翻訳して」と加工させる使い方は、第27条が挙げる翻訳・変形などの行為と重なる場面です。
  • 文化庁の著作権テキストは、著作権の譲渡を受ける契約で、翻案権など(第27条・第28条の権利)が契約に特に書かれていないときは譲渡した側に残ると推定される(第61条第2項)ため、契約書に明記しておく必要があると説明しています。
  • 文化庁の「考え方」は、AI生成物と既存の著作物の類似性を、人がAIを使わずにつくった場合と同様に、表現上の本質的な特徴を感じ取れるかどうか等で判断するとしています。

具体的な場面の例

  • 海外の人気ブログ記事をAIで翻訳し、自分のサイトに掲載する。翻訳は第27条に挙げられた行為の一つです。
  • クライアントから著作権を譲り受ける前提で、AIを使ったキャラクターデザインを納品する。文化庁テキストは、翻案権などを含めて譲渡する場合は契約書に明記しておく必要があると説明しています。

関連する用語